初代吉右衛門の業績回顧…早大演劇博物館 [舞台と伝統芸]

歌舞伎俳優の初代中村吉右衛門(1886~1954)の業績を振り返る展覧会が、8月7日まで東京・早稲田大学演劇博物館で開催されている=写真=。

 当代吉右衛門が人間国宝に認定される偶然が重なる中での展覧会。自らの収蔵品も提供した児玉竜一・早大教授は、「今の二代目が、初代が歩んだ道を目指していることが分かるのではないか」と狙いを語る。

 名優であり、時代物を得意として今に至るまで歌舞伎界に影響を残している初代吉右衛門の遺品の数々を展示している。舞台での衣装や鏡台、色紙や場面写真、俳句の軸、交友のあった高浜虚子からのはがきなど、貴重なものも多い。このほか、当時の後援会の雑誌、公演チラシ、浮世絵風の絵はがきなども並び、児玉教授の個人コレクションの数々が、当時の初代の人気ぶりを証明する。

 児玉教授は「江戸時代に生まれた歌舞伎の伝統を背負いつつも、近代人として現代につながる礎を築いた。そこに古典を重視する二代目の生き方も重なってくる。初代の業績を改めて認識してほしい」と語る。入場無料。8月2日午後2時からは、当代が出演する演劇講座が学内の大隈記念大講堂で開かれる。

(2011年7月25日 読売新聞)

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